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新・呑んだくれ日記 ~ #6 カブト@新宿・思い出横丁




プレス石井です。

不定期更新の『呑んだくれ日記』が、
『新・呑んだくれ日記』としてリニューアル。

キーワードは「ザ・昭和」
昭和を愛する私が好む、
男の一人酒や一人飯にふさわしい
お店などを中心に書き綴らればと。

駄文拙文は相変わらずですが、
何卒ご容赦の程。

*前回はこちら



【第6回】
カブト @ 新宿・思い出横丁




新宿西口商店街。 通称 『思い出横丁』
長さ80メートル程の狭い路地に、
70以上の飲食店が軒を連ねる。

その誕生は昭和21年。
戦後、まだ焼け野原であった頃の闇市が発祥だ。

闇市を発祥とする飲食街は
かつて東京の彼方此方に存在していたが、
火災や再開発等でほぼ消散。
此処 『思い出横丁』 は当時の面影を残す
数少ない場所である。


今回の 『カブト 』は、
昭和23年創業。
『思い出横丁 』においても、
最古参的存在の鰻串焼きの専門店だ。


一口蒲焼 + きも焼き + 焼酎(金宮ストレート)



ひれ焼き



えり焼き



お通し (キャベツ浅漬け)


十人座れるかどうかの、
コの字カウンター。
グラスを持つ腕も隣席の御仁に当たるような、
極狭の空間。
バラック風のチープな建物が枯淡の趣に溢れる。
まさに昭和の大衆酒場の佇まいだ。

食通な方なら周知の事と存ずるが、
予約の取れない鰻の有名店、
池袋『カブト』の主は
こちらのご出身である。

此処では『一通り』がお約束。

『一通り』とは、
5種7本の鰻串のコース。

首の回りの肉を用いた『えり焼き』
腹ビレや背ビレなどの『ひれ焼き』
内臓の『きも焼き』
そして肝臓の『れば焼き』に、
一口サイズの『蒲焼』である。

鰻の様々な部位を用いた串焼きは、
長年継ぎ足されたタレで香ばしく焼かれる。
それを貪り喰らいながら
焼酎を呷るという、無上の至福。

卓上には梅割り用の『天羽の梅』も備えられているが、
鰻きものほろ苦さには、
甲類焼酎のストレートが丁度良い。
お通しの浅漬けも良い箸休めだ。

串は結構なハイペースで供される。
油断して受け皿を串の山とするのは無粋の極み。
サクッと食べて店を出る。
それが此処での流儀だ。

因みに私は、
一通りと焼酎2杯で
平均滞在時間約20分。

そして次の酒場を目指し、
横丁内を彷徨するのである。





戦後の闇市に端を発する『思い出横丁』。
1999年に大規模な火災に見舞われ、
全店舗の約4割が焼失。
『カブト』も一部が焼けたが奇跡的に生き残った。

先月火災が発生した『新宿ゴールデン街』も同様だが、
いつの時代も再開発の噂が囁かれ続けている。

時代の流れには抗しえないであろうが、
古き良き日本の文化遺産、
そして酒場遺産として、
末永くあって欲しいと
切に願うのである。


カブト
新宿区西新宿2-11-2
(営) 14時~21時
(休)日祝



そして今回の一曲。
当該店で自然発生的に脳内再生された楽曲を紹介。




EAGLES " Hotel California "

イーグルスの大ヒットナンバー、説明不要であろう。
ロック史にも残る名曲である。

カブトを後にし、次の酒場を目指す際に脳内再生。


" We are programmed to receive.
  You can checkout any time you like,
  But you can never leave. "

『チェックアウトは何時でも出来るが、あなたは決して此処を離れる事は出来ない』

『Hotel California』 の有名な一節。
この歌詞には様々な解釈が存在するが、
『ホテルカリフォルニアは、実際に立ち去る事が出来ない迷宮なのだ』
という意が通説だ。

思い出横丁も、正に魔性の迷宮。
店から店への、
終わりなき梯子酒。
ドン・フェルダージョー・ウォルシュ
美しく、かつ哀愁漂うツインギターが
酔いどれの脳内に虚しく響き続ける。






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